とした長期使用に関する特定使用成績調査(以下、長期 PMS 調査とする。)では、性器感
3.全身倦怠・悪心嘔吐・体重減少などを伴う場合には、血糖値が正常に近くてもケトアシドーシスの可能性があるので、血中ケトン体を確認する
1.高齢者への投与注意を細分化・・・75歳以上の高齢者あるいは65歳から74歳で老年症候群(サルコペニア、認知機能低下、ADL低下など)のある場合には慎重に投与
高齢者特定使用成績調査の結果は、治験中に見られた有害事象や副作用の内容および頻度と大きく異なるものではなかった。
1)使用成績調査(一般使用成績調査、特定使用成績調査、使用成績比較調査)、製造
背景 ダパグリフロジン(フォシーガ® 錠)は,本邦では2014 年3 月に承認されたSGLT2 阻害薬である。本剤の長期の使用実態下における安全性および有効性の評価に向けた特定使用成績調査が2014年9月より進行中である。本稿では,2016 年10 月時点における中間集計結果を報告する。方法本調査は,使用実態下における安全性および有効性評価に向けて,本剤をはじめて投与された2型糖尿病患者を対象として,観察期間を3 年としてプロスペクティブに実施した。重点調査項目として定めた副作用の発現状況,安全性・有効性等に影響を与えると考えられる要因,未知の副作用発生状況を調査した。重点調査項目として性器感染・尿路感染症,低血糖,多尿・頻尿,体液量減少,心・脳血管系疾患,体重減少,腎機能障害,ケトン体増加,悪性腫瘍,骨代謝に関連すると考えられる副作用を設定し,さらにSGLT2 阻害薬による皮膚障害への影響が懸念されたため皮膚障害に関連すると考えられる副作用も検討に加えた。結果 2016 年10 月時点の中間集計において,6370例を安全性解析対象症例とした。本剤の平均投与日数は179.7 日,平均1 日投与量は5 mg が94.5%であった。副作用は447 例(7.0%)に認められ,もっとも頻度が高かったものは頻尿47 例(0.7%)で,次いで陰部そう痒症31 例(0.5%),膀胱炎20 例(0.3%)であった。重篤な副作用は30 例(0.5%)に認められ,そのうち2 例以上に発現した副作用は急性心筋梗塞4 例(0.1%),脱水3 例(0.0%)であった。安全性に影響を及ぼすと考えられる要因の探索において,性別,アレルギー有無,既往歴有無,合併症有無,腎機能障害有無,肝機能障害有無,食事療法有無,糖尿病に対する前治療薬有無,併用薬有無,糖尿病治療併用薬有無の項目おいてP 値が0.05を下回った。重点調査項目とした副作用の発現率は,性器感染・尿路感染症に関連すると考えられる副作用1.1%(69 例),低血糖に関連すると考えられる副作用0.2%(12 例),多尿・頻尿に関連すると考えられる副作用1.0%(65 例),心・脳血管系疾患に関連すると考えられる副作用0.2%(14 例),体重減少に関連すると考えられる副作用0.0%(2 例),腎機能障害に関連すると考えられる副作用0.4%(27例),ケトン体増加に関連すると考えられる副作用0.4%(24 例),悪性腫瘍に関連すると考えられる副作用0.0%(3 例),骨代謝に関連すると考えられる副作用0.0%(3 例)であり,またSGLT2 阻害薬による影響が懸念された皮膚障害に関連すると考えられる副作用の発現率は0.7%(43 例)であった。結論 本調査における安全性プロファイルについて新たな問題点は認められず,また,本剤の有効性に関してもとくに懸念される点は認められなかった。