英ポンド/米ドル(GBP/USD) 60分足 FX為替レート・チャート


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世界中の多くの投資家に取引されているポンド。その魅力や今後の展望について理解を深められたでしょうか。現在は、両国の金利差にあたるスワップポイントも魅力的で、ポンド/円を買いで保有することで受け取れるスワップポイントにも注目したいです。
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(2024年8月時点 トレイダーズ証券 市場部)

金利引き上げ開始以降堅調に推移していたポンドですが、ジョンソン首相 (当時) がコロナ禍における自粛期間中に首相官邸などで複数回のパーティーを行っていたことなどから、2022年7月辞任に追い込まれました。その後就任したトラス前首相が、目玉の経済政策での迷走などで通貨安、債券安、株安のいわゆる「トリプル安」を招き、英金融市場が大混乱となって、史上最短の就任から50日での辞任表明となりました。しかしトラス前首相の後任に、投資銀行やヘッジファンドなど金融業界での経験が豊富で、経済政策に強いと見られるスナク元財務相が就任したことで政治的な混乱が収束し、英ポンドは2022年末頃から回復に転じました。その後も金利引き上げが続いた英ポンドは、主要国で唯一緩和策を続けた円に対し堅調な値動きが続き、2024年4月には2008年8月以来約16年ぶりに200円台に乗せました。

英ポンド/米ドル最新推移チャート。1分足から月足までの12足種、ニュース、売買情報を表示。

2024年後半のポンド/円相場は、両国の金融政策やスターマー新政権の政策運営に絡んだ相場が予想されます。
上述したように、イギリスでは2024年8月にBOEが政策金利を0.25%引き下げ、政策金利は5.00%となりました。背景としては、総合インフレが目標の2.0%程度で推移し、総合インフレの抑制が確認できた点がありますが、サービスや賃金インフレは依然として高水準にあります。賃金上昇は消費者の購買力を促す一方でインフレ圧力を高める要因にもなるため、今後のデータ次第ではありますが、BOEは利下げに対して慎重な行動をとっていくかもしれません。実際、8月の会合では投票権を持つ9人のうち、4人は政策金利の据え置きを支持し、満場一致の決定とはなりませんでした。
また、スターマー新政権の舵取りもポンド/円相場の行方を見定める上で無視することはできません。EUとの関係改善が進み、貿易障壁が減少すれば英国の経済成長を促せますが、新政権の公約は財政を悪化させずに実現することは容易ではないとの見方もあります。仮に実現のため財政拡張政策を採用することとなれば、リスク回避姿勢の高まりからポンド安が進む可能性も考えられるため、政権の舵取りは注視していく必要があるでしょう。
日英の政策金利は日本が0.25%に対して、英国が5.00%と大きく乖離した環境になっています。足元では相反する金融政策を背景にポンド安・円高が進んでいますが、乖離した金利環境から生まれるインカムゲインは他通貨ペアと比べても魅力的です。スターマー新政権への期待やインフレの高止まり懸念によって高金利が維持されていくこととなれば、2024年後半にかけては円キャリートレードの動きが回帰してくるのではないでしょうか。変動のきっかけとなる材料が豊富でトレードチャンスも多い通貨ペアであるため、日々指標など情報を追っていく必要もありそうです。

2021年にEU離脱の移行期間が終了し、「合意なき離脱」を回避すると、コロナショックからの世界的な景気回復とともに金融正常化に向けた動きが意識されました。同年12月にはBOEが3年4か月ぶりとなる利上げを決定し、これがポンド/円相場の上昇への足掛かりとなります。2022年に入ると、ウクライナ情勢緊迫化による市場のリスクセンチメントの悪化や資源・エネルギー価格の高騰を受けて、アメリカ・FRBなど他国でも金融正常化の動きが進みました。日本との金利差及び金融政策の方向性の違いに直目した円売りが活性化したことでさらに上昇への勢いを強め、コロナショックによって一時124円台まで軟化したポンド/円相場は208円台まで騰勢を強めました。
ただ、2024年に入ると本邦政府・日銀による相次ぐ為替介入(円買い介入)や日銀の金融正常化路線が意識され、これまで続いた円キャリートレードの巻き戻しが誘発されます。そして、7月には日銀が政策金利を0.25%に引き上げる追加利上げを実施し、英国では8月にBOEが0.25%の利下げを決定するなど、両国の金融政策の違いを背景としたポンド安・円高が進みました。とはいえ、現時点(2024年8月末)で両国の政策金利を比較すると日本が0.25%に対してイギリスでは5.00%となっており、依然として両国の金利環境は乖離した状況になっています。これらの環境を背景に円キャリートレードへの回帰も意識される中、ポンド/円相場は180円近辺を底に反発を強めるなど、足元では一定の底堅さを保って推移しています。

イギリスでは2024年7月4日に総選挙の投開票が行われ、最大野党である労働党が411議席を獲得して政権を奪取しました。これにより、約4年間にわたり労働党を率いているキア・スターマー氏が2024年7月5日に新たに首相に就任しています。スターマー首相はもともと人権派弁護士として活動しており、2008年には検察局長に就任しました。その後、2015年に労働党の候補としてロンドン中心部の選挙区から初当選し、政治家へと転身しています。
7月4日の選挙は、支持率の低迷が続いていた与党・保守党のスナク前首相が下院を解散したことで実施されました。当初はトラス前首相の減税路線を廃して、経済・財政安定と信頼回復を揚げたスナク政権も、長引く物価高や不祥事の連続により、支持を維持することができず、総選挙で保守党は議席数を345議席から121議席に減少させました。労働党が政権を握るのは、2010年まで続いたブラウン政権以来、14年ぶりのことです。
政権交代自体は市場で既に織り込みが進んでいたこともあって、ポンド/円相場への影響は限定的でしたが、今後の政策次第では動きのある展開も予想されるため、新政権の政策スタンスや舵取りの行方には注目しておきたいです。焦点となりそうなのは、国際貿易政策の改善です。労働党新政権ではEUとの関係改善を目指しており、公約で「不必要な貿易障壁を取り除くことで、イギリス・EUの貿易や投資関係を改善する」と表明しています。この公約が実現し、関税や貿易障壁が減少することとなれば、企業コストの削減から輸出増を促し、ポンドの価値も自国の経済成長とともに上昇圧力がかかるかもしれません。
とはいえ、始まったばかりのスターマー政権では、不確実性が多くあるのも事実です。経済政策の実行力や、上述した貿易政策においてもEUとの交渉力については懸念が残ります。仮に政策の舵取りが不安視され、前政権と同様に国民の支持低下が政権の安全性を脅かすこととなれば、投資家のリスク回避姿勢を強めかねません。政権の舵取りはポンド/円相場に対して、大きな変動材料となるため、その行方や影響については情報を随時追っていく必要がありそうです。

この間2024年3月、日銀金融政策決定会合で「賃金と物価の好循環を確認し、2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」として、2013年から続けてきた異次元緩和が終了され、約17年ぶりとなる利上げが決定されました。しかし植田日銀総裁が今後の金利の引き上げペースに関して「急激な上昇というのは避けられるとみている」と述べたことなどから、緩和的な金融政策が継続されると見られています。


ポンド/米ドル(GBP/USD) FX為替レート・チャート ; G10通貨

15~17世紀の大航海時代から世界の覇権を握っていた欧州の中心的存在で、18世紀後半には産業革命を起こし、世界に先駆けて近代的な工業国家となりました。英国で金本位制が確立されたこと、英国が世界に工業製品を輸出したことなどから、英ポンドは世界の基軸通貨となりました。第二次世界大戦後に米ドルに基軸通貨の座を取って代わられるまで、ロンドン市場は国際的資本・金融・為替市場の中心として圧倒的な地位を誇っていました。その歴史もあって、英国は現在でも金融・証券などの分野で世界的な影響力を持っており、ロンドン中心部のシティ (金融街) はニューヨークのウォール・ストリートと並ぶ金融センターとして知られています。

のポンド危機下における日本政府外債価格の推移を検討する。 ..

イギリスの正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」で、ヨーロッパ北西部のイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国から成り立つ島国です。一般的にはイギリス、あるいは英国と呼ばれています。2022年9月2日エリザベス女王(当時)の崩御に伴い、イギリスはチャールズ国王が新たに君主となりました。イギリスは立憲君主制をとっており、議会は二院制を採用しています。また、ロンドン中心地の「シティ」は金融街として広く知られ、金融立国イギリスの象徴的存在です。
EU(欧州連合)からの離脱により、ロンドンの世界最大の金融センターとしての地位に変化があるとの懸念もありましたが、依然としてその地位は揺るがずロンドンはマーケットの中心であり続けています。イギリスポンドは誕生から長い歴史を持つ由緒ある通貨の一つで、第二次世界大戦まで基軸通貨として広く使用されていました。EUに加盟した際も「ユーロ」導入をせず、イギリスは自国通貨を使い続ける選択をしました。金融政策は、イギリスの中央銀行にあたるイングランド銀行(BOE)が英ポンド(UKポンド)の発券銀行として、金融政策委員会(MPC)を通じて決定します。

当行公表相場仲値推移一覧(米ドル・スイスフラン・英ポンド・ユーロ)を月次で掲載致します。 ..

英国はGDP世界第6位の経済規模を誇り、首都ロンドンには世界最大級の金融街シティを有しています。政治的にも経済的にも世界から注目を集めている国であることから、ポンド相場変動に関するニュースも入ってきやすく、取引がしやすい通貨と言えるでしょう。
足元ではイングランド銀行(BOE)の政策金利見通しや英国の経済・景気動向などが、ポンド相場のボラティリティを拡大させる材料となりそうで、今後も大きな変動が期待できる通貨でもあります。

「みんなのFX」の経済指標カレンダーには、英国の経済指標の発表スケジュールも掲載されています。また、取引画面のニュースには英国の要人発言や経済に関わるニュースがリアルタイムで配信されています。取引の判断材料として参考にしてください。

【通貨】外為:英ポンド、197円46銭前後とポンド安・円高で推移

2024年6月、ECB (欧州中銀=ユーロ) が9ケ月据え置いた政策金利を引き下げたこともあってBOEの金融政策委員会が注目されていましたが、据え置きが決定されました。声明文では「労働市場は歴史的に見て非常に引き締まったままで、サービス価格は想定よりも高い」とされ、利下げ開始時期についての明言が避けられたことから英ポンドは堅調に推移しています。

ポンド=197円46銭前後と、前日午後5時時点に比べ13銭のポンド安・円高で推移 ..

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[PDF] 為替相場推移(米ドル・スイスフラン・英ポンド・ユーロ) 2008

ポンド/円は他通貨ペアと比較して値動きが大きく、高値と安値の値幅は1日の平均100pipsを超えるためボラティリティが高い通貨ペアとして、短期トレードでの差益を目的としたトレーダーに利用されています。

【通貨】外為:英ポンド、197円42銭前後とポンド安・円高で推移

2023年、国内のポンド/円の取引規模は米ドル円に次いで2位(527,534,882百万円:4.4%)と、FX投資家の間で人気を博しています。また、ポンド/円(GBP/JPY)だけでなくポンド/米ドル(GBP/USD 6位)、ポンド/豪ドル(GBP/AUD 11位)も取引高ランキング上位に位置しています。
もちろん、「みんなのFX」ご利用のお客様にも大変人気の通貨ペアです。ここでは、なぜポンドが選ばれるのか、その人気の理由を3つご説明します。

ポンド=197円42銭前後と、前日午後5時時点に比べ17銭のポンド安・円高で推移 ..

為替市場における英ポンドの取引高は、米ドル、ユーロ、円に次いで第4位と流動性が高く、取引に対する規制もありません。経済指標、政治関連報道など投資に関わる情報を手に入れやすいことも有利な条件と言えます。主要国の中では、歴史的に金利が高い傾向にあるので、金利面を重視する場合には有力な選択肢となります。

26日のポンド円は、197.40付近で推移。 本日のポンド円相場に関し、現水準より ..

英ポンドから日本円への為替レートは198.558で、昨日から0.455%変動しています。過去1週間にかけて、英ポンドの価値は7日前の価値と比較して0.995%の値上がりとなっており、比較的安定しています。