【2024年前半】豪ドル円(AUD/JPY)の今後の見通し・予想


本レポートでは、最新のAI技術を駆使し、複数のシナリオを想定しながら今後のドル円相場の予測を試みる。経済指標、金融政策、地政学的リスク、市場心理など、多角的な要因を考慮に入れたAIの分析は、従来の予測手法では見落としがちだった新たな視点を提供し、より精度の高い予測につながる可能性がある。本分析を通じて、今後の為替動向に対する新たな洞察を得ることを目指す。


8月5日の株価暴落の主因の一つである円高の急進行。円相場の動向は株価だけでなく日本銀行の金融政策にも実質的に影響する。円高はどこまで進むのか。1ドル=150円台復活はあるのか。4人の専門家にドル円相場の今後を徹底予想してもらった。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

本節では、最新のAI技術を活用し、ドル円相場の将来予測を行う。まず、1996年10月から2024年6月末のドル円データをAIに読み込ませ、「情報を分析し、洞察してください」と指示したところ、AIは読み込ませたデータが1996年10月28日から2024年6月30日までのドル円レートの週次データであることを認識し、長期トレンド、主要な変動期、変動幅、近年の傾向、周期性、ボラティリティごとに洞察を加えた(図表1)。AIによる分析結果をみると、1996年10月から2024年6月までのドル円データについて、それぞれの観点から詳細に分析されている。これは人間のアナリストによる分析と比較しても遜色なく、むしろより客観的で包括的な視点を提供しているといえる。特に、データの周期性やボラティリティの変化に関する指摘は興味深く、為替市場の構造的な変化を示唆している可能性がある。

<FX/テクニカル分析>「ドル/円 どこまで戻せられるか」(22年11月11日)

今年最後の「アナリストレポート」になります。筆者にとって2024年の最大のサプライズは「米大統領選でのトランプ氏の勝利」でした。ただ、今冷静に考えてみると、まずバイデン氏ではさすがにあの年齢を考えると、さらに4年間の大統領職務をこなすのは無理だったのかもしれません。また、最後の最後に自身の次男に大統領権限を最大限に利用し「恩赦」を与えたことなど、筆者の中ではバイデン氏に対する評価も相当下がりました。何はともあれ、好き嫌いはあってもこれから4年間、トランプ言動に大きく左右されることになります。合衆国憲法を変えない限り第三次政権はありませんが、次に狙っているのは「ノーベル平和賞」との観測もあります。良いお年を・・・・・。

さらに、AIに対して「想定外の複数のシナリオを前提に、2024年9月末、12月末、2024年3月末のドル円価格を予測してください。またその根拠も教えてください」と指示をした。AIは前提条件として「これらは通常では考えにくい状況ですが、金融市場に大きな影響を与える可能性のあるシナリオです」としたうえで、日本の急激な金融政策転換、米国経済の急激な悪化、地政学的ショック、技術革新による経済構造の激変の4つのシナリオを挙げ、2024年9月末、12月末、2025年3月末の価格予測と根拠を示した(図表3)。これらのシナリオは確かに「想定外」の要素を含んでおり、市場に大きな影響を与える可能性がある事象を適切に捉えている。特に、技術革新による経済構造の激変というシナリオは、近年のAI技術の急速な発展を考慮すると非常に興味深い。ただし、これらの想定外シナリオにおける価格予測は、その性質上非常に不確実性が高いため、具体的な数値よりも、各シナリオが市場にもたらす可能性のある影響の方向性や大きさに注目すべきである。