ECBがインフレ抑止の大幅利上げでユーロ高狙うも、下落リスクが高まる理由


日銀は市場予想通り現行の政策を維持し、政策金利を0.25%に据え置いた。米国の経済および政治、国内の賃金上昇の不確実性を踏まえ、利上げを急ぐタイミングではないと判断…


クリスマス休暇明けとはいえ、まだ英国や旧英国系の国々では休暇中のなか、ドル円はNYで158円台に乗せ158円09銭と、7月17日以来およそ5カ月ぶりの円安水準を付けました。米国の利下げペースが鈍化する一方、日銀が来年1月の会合でも追加利上げを見送るとの観測が根強いことが背景です。

境界線:130円超に向かう一時的なドル円反発の場面では、円買いドル売りを勧める。

ドル円予想 | 植田日銀総裁の講演待ち | 今日のアナリストレポート

今週25日(水)に行われた植田総裁の講演では、先の決定会合の会見では予想外の「ハト派」発言でドル円が大きく上昇したこともあり、どの程度「調整」があるのか注目していましたが、結局内容的には変化ありませんでした。総裁は、「経済・物価情勢の改善が続いていけば、それに応じて、政策金利を上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と述べ、具体的なタイミングについては、「今後の経済・物価・金融情勢次第だ」と明言は避けました。さらに総裁は「特に、米国の次期政権の経済政策を巡る不確実性は大きい」と、説明しています。筆者は、トランプ政権が始動し政策が実施されれば、米金利の上昇圧力が増し、それに呼応するかのように円が売られる展開を予想しています。そうなると、為替面から日本の物価にも上昇圧力がかかり、大幅な円安を避けるという意味合いからも、1月会合での追加利上げが実施されるのではと予想しています。この予想は、現時点では市場のコンセンサスとは相容れないかもしれませんが、一部で指摘されているように、「日銀はビハインド・ザ・カーブに陥っている」との評価を払拭する意味からも、1月会合での追加利上げの可能性があるとみていますが、どうでしょう。

見通し:市場が日銀による緩和政策のさらなる修正と米連邦準備理事会(FRB)の利上げの転換点を織り込む中、ドル円の下落基調は今後も続くと予想する。

FRBによる利下げペースの鈍化も予想されていますが、昨日発表された「週間失業保険申請件数」では、申請件数は減少していましたが、継続受給者数が予想を上回る「191万件人」と、約3年ぶりの高水準でした。これは、失業者が仕事を見つけるまでの期間が長期化していることを示唆しており、失業者の再就職難を示す他のデータと整合しています。先週のFOMC会合後の会見で、パウエル議長が「労働市場は依然として堅調な状態にある」と述べていた言葉とはやや異にしています。ただ現時点では、これが労働市場に黄信号が点滅していることを示唆するものとは判断できませんが、これが仮にそうだとしたら、2025年では2回と示された利下げ回数が再び増えることにつながります。年明け以降も注視して行く必要はありそうです。

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ベッセン氏の発言は、今後のドル円相場に大きな影響を与える可能性がある。 ドル/円月足

今年最後の「アナリストレポート」になります。筆者にとって2024年の最大のサプライズは「米大統領選でのトランプ氏の勝利」でした。ただ、今冷静に考えてみると、まずバイデン氏ではさすがにあの年齢を考えると、さらに4年間の大統領職務をこなすのは無理だったのかもしれません。また、最後の最後に自身の次男に大統領権限を最大限に利用し「恩赦」を与えたことなど、筆者の中ではバイデン氏に対する評価も相当下がりました。何はともあれ、好き嫌いはあってもこれから4年間、トランプ言動に大きく左右されることになります。合衆国憲法を変えない限り第三次政権はありませんが、次に狙っているのは「ノーベル平和賞」との観測もあります。良いお年を・・・・・。

ドル円が130円超に向かう一時的な反発の場面では、円買いドル売りを勧める。 ドル円の反発場面でドルを売る

だが、今回の現状維持の決定にもかかわらず、為替市場では10年国債利回りの上限が1.0%まで引き上げられるとの思惑が続くと我々はみている。こうした見方を支える根拠は、日本経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)のさらなる改善見通しである。天然ガス価格が下落するなか、日本の貿易収支はこの先改善が見込まれる。一方、サービス収支も中国を始めとする訪日外国人観光客の受け入れ再開から恩恵を受けるだろう。加えて、訪日観光客の回復や、まもなく始まる「春闘(春季労使交渉)」で見込まれる賃上げ確保により、日本の2023年のインフレ率は3~4%の高水準が続くと我々は予想している。こうした良好なマクロ経済環境を背景に、市場では日銀の追加修正観測が続き、ドル円の下押し圧力になると我々はみている。

15日の米ニューヨーク外国為替市場で、円がドルに対して約2円下落し、一時、8月2日以来の円安ドル高水準となる1ドル=149円台をつけた。

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【円相場】一時1ドル=151円台に下落 約2か月半ぶりの円安水準

11月25日(月曜)のドル/円相場の終値は154.22円。前日終値比0.57円の「円高」だった。
週明けのマーケットは、米財務長官に指名されたベッセント氏によって、トランプ政権下での経済政策の方向性がどのように変わるかが焦点となった。ベッセン氏の発言は、今後のドル円相場に大きな影響を与える可能性がある。

投機筋が大幅に積み上げた円売りによって160円を超えたドル円相場。8月の株価大暴落前後でその売りのポジションはほとんど解消した。

日銀は1月17日~18日に開催された金融政策決定会合で、 10年国債利回りの許容変動幅の上限を0.5%に据え置いた。市場では1.0%への引き上げ観測が強まっていたが、これに反して現状維持が決定されたことから、ドル円相場は一時、発表前の128円から132円近くまで反発した。日銀の黒田総裁は会合後の記者会見で、12月会合の政策修正(10年国債利回りの上限を0.25%から0.5%に引き上げた)の影響を評価するには時間が必要と述べ、現行の大規模な緩和策は持続可能との考えを強調した。

午後3時のドルは153円後半へ下落、トランプ氏の関税発言で上下

2024年236営業日目、週明けの東京市場は先週の終値(154.79円)から円高方向に窓を開けて154.17円からスタートしたあとさらに円高に動いた。米長期金利の低下を受けて先週金曜日の安値(153.97円)を下抜けして、東京時間昼前に153.55円まで下落した。

ユーロドルは、24 年安値[本稿執筆時点]となる 1.0332 ドルまで下落。ECB が物価よりも景気を

一部の投資は、その証券の流動性が低いためにすぐには現金化できない可能性があり、そのため投資の価値やリスクの測定が困難な場合があります。先物およびオプション取引はリスクが高いと考えられ、一部の投資はその価値が突然大幅に減少する可能性があり、現金化した場合に損失が生じたり、追加的な支出が必要になったりする場合があります。また、為替レートの変動が投資の価格、価値、収益に悪影響を及ぼす可能性があります。金融商品・銘柄の選定、投資の最終決定は、お客様ご自身のご判断により、もしくは、自ら必要と考える範囲で法律・税務・投資等に関する専門家にご相談の上でのお客様のご判断により、行っていただきますようお願いいたします。また当社では税務、法務等の助言は行いません。

円が1ドル=155円台に下落、トランプトレードによるドル高続く

ドル円の予想について、2023 年3 月末を125 円、6 月末を122 円、9 月末を120 円と、従来予想よりも円高ドル安方向に修正する

げとの組み合わせはドル円の下押し圧力となろう。ただし、11 月末のドル

ドル/円下落、153円台まで円高。トランプ氏指名の財務長官の発言が相場に影響