金価格とドル円の関係を算出式で表すと、以下のようなイメージになります。
FRBは原則年8回のFOMCを開催し、アメリカの経済動向を見据えて、利上げや利下げ、量的緩和政策(中央銀行が市場に供給する資金の量を増やし、金融市場の安定や景気回復を図る政策)の実行など、アメリカのさまざまな金融政策を決定します。
例えば、2022年3月、FOMCは量的緩和政策から金融引き締め政策に転じる声明を発表し、その月から11月まで連続して利上げを行いました。金利が上昇する局面では米ドルの価格は上がりやすくなります。その結果、前述のような米ドルの上昇が起こり、金利上昇のメリットが得られない金価格は反落しました。
円安になる理由はいくつかありますが、基本として世界経済が不安定になったときは大きく為替が動きます。金相場の動きを把握するには、世界で何が起こっているかに目を向け、為替市場の動向を常にチェックすることが大切です。
金は「有事の金」とも呼ばれ、が高まると買われやすい傾向にあります。
ここ数年の為替市場を見ると、円安ドル高の傾向が続いているのが特徴です。この円安進行を食い止めるため、2022年9月に日本政府が為替介入に踏み切り、一度は円高ドル安の流れが生まれました。
常にセオリーどおりの値動きとなるわけではありませんが、金を取引する際にはFRBの動向やFOMCの声明を注視しておくと良いでしょう。
一方、これまでのチャートを見ると、米ドルと金価格が逆相関にならなかったタイミングも複数見受けられます。イレギュラーが起こりやすい主なタイミングは以下のとおりです。
金価格は米ドルの影響を色濃く受けるため、米ドルの値動きを把握することが大事であり、そこで注目したいのがアメリカの金融政策です。なお、金融政策とはその国の中央銀行が経済や物価を安定させるために行う政策のことを指し、アメリカの中央銀行にあたるのがFRBです。
※上図、地金およびコイン画像はイメージであり、実物のサイズとは異なります。
しかし、その後の2022年末には急激な利上げの影響で消費者物価指数などがやや悪化したため、回復ムードが途切れ米ドルは下落基調となります。この時金価格は上昇に転じており、ここでも逆相関になっています。
今後も金の需要が上がり続ける限りは、金の価格も上がり続けます。
2008年のリーマンショックなどの世界的な金融危機が起きると、米ドルと金価格は同じ方向に動くことがあります。
XAUUSDチャート— 金スポット米ドル価格 — TradingView
2022年はコロナショックからの回復局面が続いた時期です。アメリカやヨーロッパ諸国などでは、2022年の初頭から国の基準金利を上げる「利上げ」などの金融引き締め政策が行われるようになりました。この時期には世界経済の回復基調が強まり、米ドルの価値は上昇しています。対して金価格は米ドルと反比例するように下落し、2022年の秋頃には2020年の価格水準まで戻りました。
上記は米ドル建ての金価格で、金の価値を測る世界共通の基準になっています ..
ですが正直なところドル不信任、というだけでここまで価格が上昇するのはやや行き過ぎです。この上昇の背後には、株に投資するのと同じ感覚で取引が可能な金現物ETFが登場したことが最も大きいと考えています(ETFについては「」をご参照下さい)。
スポット金 チャート このチャートは、一定期間におけるマーケットの価格推移を視覚的に表したものです。 ..
例えば、リーマンショック時には、米ドルと金価格が同時に上昇しました。なぜ米ドルも上昇するのかというと、為替相場においては世界の基軸通貨である米ドルが安全資産として捉えられているからです。危機的な局面において、投資家が安全性を優先した時には米ドルと金は同じ動きをしやすいと言えます。
【2024年最新】金価格相場は今後どうなる?10年後の予想は?
2020年2月下旬、新型コロナウイルス感染症の流行を引き金にコロナショックが起きたのは記憶に新しいでしょう。金価格はコロナショック直後こそ下落しているものの、2020年6月頃からは大きく上昇しました。一方、米ドルの価格は2021年の初めまで継続して緩やかに下落しており、上昇する金価格とは反対の動きをしていることがわかります。
金は通常、米ドル建てで取引されているため、金価格は米ドルの値動きの影響を受けやすく、その値動きは原則「逆相関」だと言われています。
戦争や地域紛争によって地政学的リスクの気運が高まると、投資家が金だけでなく安全資産として米ドルを買うようになります。例えば、2022年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始した際には、有事の金だけでなく米ドルも買われ、同時に価格上昇が起こりました。よって、戦争や地域紛争が起こった時にはイレギュラーな値動きに注意する必要があるのです。
ロンドン及びニューヨークの価格は1トロイオンスあたりのUSドル建て、国内の価格は1グラムあたりの円建てです。 2
何の情報も与えられずにこのグラフを見ると恐らく多くの方が、「赤線」の商品に投資したいと考えるでしょう。答えは赤線がドル建ての金価格、青線が円建ての金価格を1971年1月=100として指数にしたものなのです。1970年からドル建の金価格は45倍になりましたが、円建ての金価格は10倍にしかなっていません(誤解のないように説明しておきますが、今回のレポートでは見た目の価格「名目価格」を比較しています。物価の上昇率を考慮した「実質価格」では、まだ現在の金価格でも史上最高値に達していません)。
[PDF] 日本の投資家に とっての金の役割 過去40年間を振り返る
話を元に戻しましょう。ところが円とドルのこの40年の価値を比較してみると、確かにドルはその価値が目減りしていますが円のドルに対する購買力はそれを遥かに上回るペースで上昇しています。グラフは同様に1970年1月=100としてドル円とドルの複数国通貨に対する加重平均を指数化したものですが、この40年ドルは▲34%減価していますが、一方円の価値は戦後の高度成長期だったこともあり、349%上昇しています。つまり、この40年、ドルは弱くなりましたが円が強くなりすぎたために円ベースの金価格はそこまで上昇していないのです。
直近のNY金相場は2635.5ドル、為替ドル円相場は1ドル=157.31円。NY金相場と為替動向から見る国内金価格 ..
一般的にその国のインフレ率が高くなると、原則として金価格も上昇します。しかし、そのインフレ率が予想に反して急上昇した場合、過度なインフレによる景気後退が懸念され、米ドルの価値が下がりやすくなります。
以下はNY金(ゴールド)の約49年間の値動きと主な変動要因がわかるロングチャートです。 ※
更にここで質問ですが、この赤線と青線はとある市場商品の価格の推移なのですが、どちらの商品に投資をしたいと思いますか?
建価格に換算され公開されています。 また、全世界における金の目的別需要の割合 ..
ここで市場動向を注視しましょう。FRBが利上げを行った場合、一時的に米ドルの価値が上昇しやすくなるので、米ドルと金価格が同時に上昇する可能性があります。
【更新:2024年12月24日】金相場の今後の流れを読むために
米ドルと金価格は逆相関の関係性がセオリーではあるものの、過去を振り返るとイレギュラーな相場を何度も形成してきたことがわかります。そもそもどんな資産もその値動きは読み切れないものです。値動きに一喜一憂しないようにするには、金を毎月一定額、継続して購入する「純金積立」がおすすめできます。