1ドル140円、1998年以来 実質購買力は50年以上前に逆戻り?
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〈図表5〉国際収支項目とドル円相場の関係(1998年〜2007年)
ただし「多くはない」とはいうものの、円安が問題化となった例が皆無だったわけではない。「止まらない円安」の日本経済への悪影響が注目された代表例の1つは、1998年にかけて1米ドル=150円近くまで米ドル高・円安となったケースだろう。
しかし、最近のドル円の上昇は日米金利差だけで説明がつくものではない。ドル円の金利変動に対する感応度が大きく上昇でもしない限り(その可能性は低いと考えるが)、直近の上昇は金利差の観点からすると行き過ぎといえる。また、実質金利ベースでみると日本の利回りは米国の利回りよりも魅力度が依然高いが、足元の市場はそれを見過ごしているようだ。さらに、円が極めて割安な水準にあることも見過ごされている。これらの要因は2023年になると影響力が高まると考える。2023年はFRBの利上げサイクルが終わりを迎え、一方で中国の経済活動の活発化と共に、日本の経済再開が進むとみているからだ。そうした環境下では、ドル円は数十年ぶりの高値から反落するとみている。
今のところ、12月FOMC(米連邦公開市場委員会)では0.5%の利上げが行われ、政策金利のFFレートは現行の4%から4.5%に引き上げられる見通しとなっています。そうであれば、これまで米ドル/円と高い相関関係が続いてきた米2年債利回りの低下は限られ、むしろ上昇する可能性もあるでしょう。以上のことから、米ドル/円も先週からの急落が落ち着くに連れ、米金利上昇に連れる形で米ドル高・円安に戻す可能性も出てくるのではないでしょうか。
これらは米ドルにとってはプラス材料であり、円にとってはマイナス材料であることから、ドル円は年末に向けて1998年以来の高値147.60円を試す可能性がある。日銀が近い将来に金融政策を転換する可能性は低そうだ。日銀が金融政策を変更するまで、または財務省が為替介入を行うまで、円安はさらに続くとみている。日本のインフレ率が1桁中盤から後半の水準まで上昇した場合は、為替介入への明確なシグナルとみており、ドル円の短期の上昇リスクは高まっていると考える。また、足元のドル円の上昇の勢いは投資家が主導しており、先物市場の投機筋による円のショート(売り持ち)ポジションは過度に積みあがった状態ではないとみている。よって、円のショートポジションはさらに拡大する可能性がある。
米ドル/円は、147.66円の1998年8月高値がチャート上の上値目標に。資金管理に気をつけながら、さらなる円安方向で勝負したい
それにしても、1998年の場合は、8月から9月にかけて147円から130円台までが米ドル急落の第一波、そして第2波は10月に起こったのですが、その1つのきっかけはFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げでした。
米ドル対円相場(仲値) 一覧表 (1998年) | 七十七銀行
国際通貨基金(IMF)の対日審査団長を務めるサルガド氏は10月12日に日銀による24年ぶりの円買い介入について「介入による急激な円安を是正する効果は一時的なものにとどまる」と述べた。同氏は「世界が不況になると安全資産の円が買われて円高が進行する傾向があったものの、最近は各国の金融政策の違いを背景に円売りが加速している」としとてかつてのような円に対する安全資産的な魅力が後退しているとし、今回の市場介入も「円に対する信認低下を懸念したもの」との認識を示した。
10月12日にG20に先立って開催されたG7では為替市場の急激な変動についての懸念が声明として示されたものの、米財務長官やIMFはファンダメンタルズを反映した当然のドル高という認識であり、日銀の市場介入に理解は示すものの効果に対する評価は低いようだ。
1998年の円高への急転換とは違う可能性 | 吉田恒の為替ウイークリー
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ドル円相場の歴史~トレンド転換となった過去のイベントを整理する
1998年は9月に大手ヘッジファンド危機が表面化し、金融市場は不安定になったことから、FRBは9月から11月にかけて3ヶ月連続の利下げを行いました。これが米ドルの反発を抑え、下落リスクを再燃させたと考えられます。10月は6~8日の3営業日だけで、130円台半ばから110円割れ寸前まで20円以上の米ドル暴落が起きたのでした。
1ドル=160円もあり?1998年に学ぶ「円安反転2つの条件」
1998年も今回も、記録的な米ドル「上がり過ぎ」が拡大する中で、米ドル買い・円売りは利益率の高い取引として急増したと考えられます。1998年の場合は、そんな米ドル高・円安が終了すると一転して米ドル安・円高に急激に振れたことから、米ドル買い・円売り取引で含み損が膨らんだケースも少なくなかったと思われます。そうした取引の損失確定の米ドル売りが米ドル急落を一段と広げる一因になったと見られました。
円相場一時153円 政府・日銀介入か ミスター円「可能性高い」 | NHK
要するに、1998年は、記録的な米ドル「上がり過ぎ」の反動が、その後米ドル急落をもたらした一因と考えられたわけですが、その意味では、そんな1998年と同様に記録的な米ドル「上がり過ぎ」となった今回も、その反動から米ドル急落が広がるリスクは要注意ではあるでしょう。
急回復の円にリスク残る、1998年を参考にすればさらに大きな波乱も
今回と1998年は米ドル/円の水準もよく似ています。単に為替相場の水準だけでなく、例えば米ドル/円の5年MA(移動平均線)かい離率は、今回一時150円を超えて米ドル高・円安が進んだ中でプラス30%以上に拡大しましたが、1998年も同様でした(図表3参照)。
円高進行、一時111円台へ(1998年10月8日). 円相場(対ドル)の推移 1985年-1998年10月8日.
1998年は、長く続いた米ドル高・円安が147円で終わると、その後は約2ヶ月で110円割れ近くまで激しい米ドル安・円高の動きとなりました(図表2参照)。これまでのところ、今回の円安は10月の151円で終わった可能性が出ています。では、1998年のようにこのまま短期間で110円程度まで米ドル/円の急落は拡大に向かうのでしょうか。
13日夜の米CPI発表直後のドル全面高局面で147.67円をつけて1998年8月11日高値147.63円を超えた。
先週の米ドル/円は、注目された10日発表の米10月CPI(消費者物価指数)の対前年上昇率が予想を下回ったことをきっかけに、米金利が大きく低下したことに連れた形で下落が広がると、週末には一気に138円台まで一段安となりました(図表1参照)。では、この米ドル安・円高はどこまで広がるかについて、円安トレンドが終わると一転して円高へ急転換となった1998年のケースとの比較で考えてみたいと思います。結論を言うと、今回は1998年とは異なり、円高の拡大には自ずと限界があるのではないかと考えています。
円安加速 1ドル=135円20銭台に、1998年以来23年ぶり
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円安加速 1ドル=135円20銭台に、1998年以来23年ぶり ..
さすがにポンドのように円が1985年の水準を試すことは無いと思いますが、チャートパターン的にも1990年高値をトライする展開は2023年中に見る可能性は高くなってきたと言えます。今後も円安局面で介入が出てくる可能性はありますが、1997~1998年の介入でもドル高の流れは変えられず、最終的にはロシアのデフォルトまでドル上昇が続いたことから、今回も介入だけではドル高の動きは止められそうもありません。
相場は一旦 140 円台まで下落する場面もみられたが、約 3 週間後の翌 10 月上旬には 145
今回の147円台は1998年高値だけでなく1985年高値262.80と2011年安値75.58の38.2%戻し147.09とも重なります。日柄的に10月11・12日前後はドル円が高値をつけやすいことも考えると、1998年高値トライの達成感もあり、短期的には高値を見た可能性があります。
ただ、長期的には1990年高値160.16レベルがいよいよ視野に入ってきましたので、2023年に米国が緩和に転換するか、あるいは日銀が引き締めに転換するか、その双方共の可能性も含め日米の金融政策に変化が出るまではドル高地合いに変化は無いと考えると、160円という数字はあり得る水準と言えます。