Gotch / 後藤正文 / ASIAN KUNG-FU GENERATION / ゴッチ
ー藤枝市の蔵の改修に至った経緯は。
ミュージシャンが気兼ねなく使えるスタジオをつくろうと、楽曲の収録に適した天井の高い建物を探していたところ、藤枝市の空き家対策の部署で働いていた友人の小林亮介さんが「藤枝にはお茶の倉庫の空き物件(蔵)がたくさんある」と教えてくれた。
生徒から、演奏で最も大切なことは何かと問われた後藤さんは「音楽に一番大切なことは自分や他人の演奏を聴くこと。ギターのチューニングが良くないとボーカルにも影響がでる。聴く余裕がでるまで練習するのは素敵なことです」と答えた。ギター部の斉藤真子部長(17)は「後藤さんのアドバイスで演奏の質が上がった。こんなに変わるのかと実感できた」と話した。
また後藤は、「スタジオだけでなくコミュニティを作って、金銭的な面だけでなく、技術的、情報的な面でもインディペンデントなミュージシャンを支える目的でNPO設立に至った」「NPOにした理由は多くの人の協力を得て活動するため、なるべく活動を透明化するため。藤枝市のレガシーにしてほしいし、みんなでシェアして、みんなで育てて、みんなで歩んでいくようなスタジオ作りたくて『APPLE VINEGAR Music Support』を立ち上げました」と自身の決意を語った。
アジカン後藤さん支援の音楽スタジオ設立へ CF成功 静岡・藤枝に
アーティストたちが直面している現実に危機感を覚えた後藤は、気兼ねなく使えるスタジオ探しに奔走。藤枝市の空き家対策の部署に勤めていた友人の小林氏から、市内にお茶の倉庫の空きがあることを教えてもらったことがスタジオ設立につながったという。後藤は「地方に音楽スタジオがあることは大事」と強調し、スタジオ文化の継承が鈍ってしまう状況、メジャーとインディーズアーティストの間に富と機会が偏在していることについてアーティストの立場から解説。土蔵を改装して作られる「Music Inn Fujieda」には後藤が長年集めた機材を提供することもアピールした。
なぜ、改めてローカルでの場づくりにチャレンジしたのか。スタジオを通じ、どんな場を作ろうとしているのか? 後藤さんに話を聞きました!
ミュージシャンたちがまず削るのは、スタジオの使用料。都内で設備の整ったスタジオを1日借りると、20万円を下らない。頑張ってスタジオを借りたとしても、かなりの短期間で、1日にたくさんの曲を収録する必要に迫られ、クリエイティブなチャレンジはできなくなっていく。簡単に言うと、失敗できないような環境になっている。若い人たちのチャレンジに資金的な援助をしたいと音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」を創設し、表彰を続けているが、それだけでは支援が追いつかなくなってきた。
2022年から小林さんの協力で、倉庫として使われていた蔵を中心に探し始めた。藤枝市や周辺を歩いて複数の物件を見て回っていたところ、藤枝江崎新聞店から茶倉庫として使っていた土蔵の活用を提案いただいた。スタジオには、私がこれまで集めてきたレコーディング機材を惜しみなく提供し、誰でも自由に使えるよう整備する予定。
アジカン後藤の音楽賞に君島大空、SATOH、原口沙輔、CHO CO PA
藤枝市のまちづくり事業とも連携しながら、古い蔵をスタジオに改装し、ミュージシャンが練習や収録に取り組める場を提供するプロジェクトを立ち上げるんだとか。
横浜の街で育んだ感性を糧に アジカン後藤正文×GREENROOM代表
会見中にはアジカンメンバーの応援コメント映像も上映されたほか、藤枝旧市街地の活性化を推進、地域振興、若手音楽家支援育成などの推進を目的とした連携協定「藤枝旧市街地活性化に関する連携協定」の締結式も実施。後藤は締結式を終えたあと「素晴らしい場所にして、藤枝市の発展にも貢献できるようなコミュニティにしたいと思います」と決意を口にし、質疑応答では「地域としての交流の場になってほしい気持ちが大きい」「自由に失敗できる、何度でもチャレンジできる場所を目指す。たくさんの音楽を作ってくれたら幸いです」「場所柄ツアーバンドが立ち寄ってもらえるスタジオになったら」と「Music Inn Fujieda」の設立に向けて意気込んだ。
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アジカン後藤正文が音楽支援を行うNPO法人創立「何度でもチャレンジできる場所を目指す」(ナタリー)
後藤正文(Gotch / ASIAN KUNG-FU GENERATION)
気になるスタジオの利用料について後藤は協議中であることを前提に、「目標は1日あたり3万円あたりでお貸しできたら、施設の維持費などを考えると妥当」「宿泊費は検討中だが、お金がない若手はタダで泊めてあげたい……」と自身の率直な思いを明かしていた。
フルカワユタカ×アジカン後藤 仲良くなかった2000年代を振り返る
そして最近、後藤さんが中心となってNPOを設立。静岡県藤枝市にスタジオ「Music Inn Fujieda」を作るというニュースも目にしました。
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アジカン後藤正文が生配信でスタジオ建設語る、中村佑介ら45名の応援コメントも到着
後藤正文 (Asian Kung-Fu Generation) : Japanese Pop
会見で後藤は、NPO法人を創立するに至った背景を説明。音楽制作における環境の変化が起き、ストリーミングの普及によって音楽の聴かれ方も変わり、制作費が減少してきていることから、インディペンデントで活動しているアーティストたちの活動がままならなくなってきたと真剣な表情で述べる。「(制作費の圧縮によってアーティストが)クリエイティブなチャレンジができない。失敗できないような環境になってしまう。予算が減り、環境がよくなくなりと負のスパイラルが起きて、スタジオの閉鎖などもあり、大手の人たちとインディペンデントの人たちの環境の差を感じるようになった」と口にした彼は、若いアーティストに資金援助をすべく私設音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」を設立したものの、それだけではサポートが追いつかないと語る。
a flood of circle、アジカン後藤正文プロデュース曲「キャンドルソング」MV公開 ..
フジファブリック山内×アジカン後藤×くるり岸田、対バンライブを前にフロントマン鼎談
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後藤さんは藤枝市に隣接する島田市六合地区出身。公演では、制作環境に恵まれないミュージシャンたちに天井が高く広いスタジオを提供したいと、約2年前から、藤枝市役所で空き家対策を担当していた友人と町を歩き回ったというエピソードを紹介。「藤枝に愛着が深まっている」と語った。
”アジカン”の後藤正文さんが、ミュージシャンなどを支援するNPO法人を設立=静岡・藤枝市 ..
スタジオに改修する土蔵の周辺は、かつて東海道の宿場町として栄えていた。江戸時代には、芸者が芸を披露する代わりに宿に泊めてもらった歴史があると聞く。このような歴史を現代に受け継いで、藤枝市がミュージシャンだけでなく、作家や詩人といったアーティストたちを支援する拠点になる。そして、そのような取り組みが日本中に広がってほしい。
アジカン・後藤正文が起業家に伝えた、「クリエイターの頭の中」 ..
【ASIAN KUNG-FU GENERATION 喜多建介, 山田貴洋, 伊地知潔 コメント】
『青い星、此処で僕らは何をしようか』 後藤正文・藤原辰史(著) 定価:1,800 円+税判型:四六判並製頁数:224 ページ
ースタジオの周辺がどのように変化していくことが理想か。
徳島県を訪れたら、海外からの観光客がたくさん歩いていて、 ゲストハウスは満室だった。目的は「お遍路さん」。スタジオ周辺の旧東海道にも多くの人が訪れ、歩くようになればいいなと考えている。また、国内外のツアーバンドは週末に東京で公演を行い、翌週末に名古屋で公演を控えている場合に、平日をどう過ごすかという問題を抱えている。東京と名古屋の中間にある藤枝市は、彼らが音楽制作やリハーサルの場として立ち寄るのにちょうど良い立地だと思う。
音楽活動に関する知識を網羅したバイブルの制作プロジェクト開始、後藤正文ら応援メッセージ到着.
また、ASIAN KUNG-FU GENERATIONメンバーの喜多建介、山田貴洋、伊地知潔から「スタジオが完成し、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのレコーディングができる日を楽しみにしていますし、この活動が多くのみなさんに届くよう応援しています」と、プロジェクトへの期待を込めメッセージが寄せられた。