豪ドル円相場が16年ぶりの豪ドル高水準に近づいている。ただしオーストラリア経済の見通しの悪さは豪ドルを下押しされる可能性も。


豪ドル(AUD)は豪州で発行される通貨で、先進国通貨の1つとして知られています。
豪ドル/円は長期間にわたってレンジ相場を形成しており、2024年12月時点でレンジの上限付近に位置しています。


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その後の豪ドル/円の下落により、5年MAかい離率も縮小しましたが、なお「上がり過ぎ」圏にあることには変わりなさそうです。その意味では、このような「上がり過ぎ」が是正される中で、2025年は豪ドル/円の下落トレンドが展開する可能性が高いと考えています。

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豪ドル/円の5年MAかい離率は、2024年7月に110円まで上昇した局面で25%程度まで拡大しました。これは、2007年に記録した過去最高にほぼ肩を並べるものでした(図表7参照)。その意味では、5年MAとの関係で見た場合、2024年の豪ドル/円はほとんど過去最高の「上がり過ぎ」という動きだったのでしょう。

52週MAは11月末現在で100円弱ですが、過去の経験を参考にすると、下落トレンドに転換した豪ドル/円は、一時的な上昇局面でも52週MAを大きく上回ることなく一段安に向かう可能性が高いと考えられます。

*ドル円「続落、5日線が再び下向きに」
日足、3σ下限から反発も20日線に抵抗され反落。8月5日-23日の上昇ラインがサポート。8月16日-23日の下降ラインが上値抵抗。雲下。5日線、20日線下向き。
週足、再び雲中へ下落。ボリバン3σ下限からの反発も5週線越えず、現在2σ下限も下抜く。8月5日週-19日週の上昇ラインがサポート。8月12日週-19日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、ボリバン2σ上限から下落。中位を割り込む。5か月線下向く、20か月線上向き。23年1月-2月の上昇ラインがサポート。
年足、ドル円年足、4年連続陽線も、ここ3年は上ヒゲが長い。今年はここまで「実体比」で最も長い。今年は3σ上限近くから下落。現在2σ上限辺り。22年-23年の上昇ラインがサポート。1985年-2023年の下降ラインを一時上抜くも再びその下降ラインの下へ下落。


*ユーロドル「年初来でドルを抜き去る。週足3σ上限」
日足、2σ上限へ。8月21日-22日の下降ラインを上抜く。8月20日-23日の上昇ラインがサポート。23年7月18日-24年8月2日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、3σ上限へ反発。雲下から雲上へ。8月12日週-19日週の上昇ラインがサポート。2年7月17日週-24年8月19日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、4月からの陰陽、陰陽のもみ合いから上抜け。雲中へ。雲の上に出るか。2σ上限越え。6月-7月の上昇ラインがサポート。3σ上限が上値抵抗。5か月線、20か月線が上向き。
年足、2023年は陽線。ドルより強かった。22年はボリバン2σ下限到達し長い下ヒゲでサポ―ト。今年は陰線の期間が長かったが陽転。22年-24年の上昇ラインがサポート。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。


*ユーロ円「ボリバン中位でもみ合う」
日足、ボリバン中位でもみ合う。8月5日の長い下ヒゲで反発。8月5日-23日の上昇ラインがサポート。8月16日-23日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン2σ上限から3σ下限へ急落も、8月5日週の長い下ヒゲで8月12日週も反発。先週は反落も雲の上は維持。8月12日週-19日週の上昇ラインがサポート。8月12日週-19日週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向き、20週線も下向く。
月足、6か月連続陽線後に大陰線。ただ今月は下ヒゲ長く盛り返している。ボリバン上位維持。22年3月-24年8月の上昇ラインがサポート。5か月線下向く、20か月線上向き。
年足、4年連続陽線。24年も上ヒゲが長くなったがここまで陽線。22年-23年の上昇ラインがサポート。08年-23年の下降ラインを上抜く。


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[PDF] 投資のヒント 足元の豪ドル相場の堅調な背景と年後半の展望

豪ドル相場の見通しを予測するうえで、オーストラリア経済の指標チェックは欠かせません。なかでも、オーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia 以下、RBA)が発表する政策金利や声明文は非常に高い注目度を集めます。

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逆に、中国経済の回復が思わしくない場合、豪州経済にとってもマイナスに作用する可能性があります。
これは豪ドルの下落要因になると考えられます。

10年後は100円台?【豪ドルの長期見通し】未来が明るい理由とは

RBAはオーストラリアを見舞ったコロナショックに対応し、その経済支援の一端として政策金利を過去最低の0.10%まで引き下げました。その後、RBAが注視していたインフレ率や失業率などが改善に向かっていく中で利上げが進んでいき、一時停止を挟みながら2023年11月会合まで利上げを継続しました。2024年5月時点の政策金利は4.35%となっています。
現在は金利を据え置いていますが、インフレ動向とRBAの金融政策の行方が今後の注目ポイントです。

【2024年】豪ドルがやばい理由は?最新戦略を実現する4つのコツ

経済対策が期待通りの効果を上げるなら、中国経済は回復すると見込まれます。
豪州は中国と経済的な結びつきが強いとされており、中国経済の発展は豪ドルの上昇につながることが考えられます。

5年後の豪ドルがやばい?長期見通しは100円?買い時・売り時を解説

世界的に大きなダメージを与えた新型コロナウイルスの蔓延による経済活動の停滞。そのコロナショックからいち早く立ち直ったオーストラリア経済を底支えしているのが鉄鉱石に代表される鉱物資源、液化天然ガス(以下、LNG)に代表されるエネルギー資源の輸出にあります。
近年は世界的にコモディティ価格が堅調に推移しており、この流れはインフレリスクのヘッジ手段としての需要を背景に続いていくことが想定されます。したがって、オーストラリア経済の成長見通しが堅持されれば、豪ドル/円相場も比較的堅調な推移となりそうです。一方、昨今のウクライナ情勢をはじめとした地政学リスクの高まりを受けて、商品相場のボラティリティは高まっているため、資源価格が変動する局面では豪ドル/円相場への影響には注意したいです。

豪ドルの5年後の見通しはやばい?2021年の買い時・売り ..

資源国通貨としての特色が色濃い豪ドルですが、鉄鉱石やボーキサイトといったに加え、石炭や天然ガスといったの商品相場に連動して為替相場が影響を受けます。もちろん、同国の経済においてもこれら資源貿易は重要な位置を占めており、がオーストラリア経済に与える影響は非常に大きいと言えます。

中国経済の鈍化や需要減少が起きると、オーストラリアへの輸出が減少し、豪ドルは下落する可能性があります。 豪ドルの高金利政策とその影響

コモディティ価格の上昇による貿易黒字は中国需要に依るところが大きいため、中国国内の経済動向や豪中関係の政治的変化にも気を配る必要があります。

現在の中国経済ですが、その足元は今まさに正念場を迎えているといっても過言ではないでしょう。2020年のコロナショック以降、初期段階では迅速なロックダウン(都市封鎖)やワクチン接種の進展から早期の経済立て直しに期待がかかりました。ただ、金融緩和による投資マネーの流入で不動産価格が高騰し、政府は住宅ローンや不動産開発企業への融資に規制を設けました。これを契機に中国市況は低迷をはじめ、中国恒大集団などが経営危機に陥りました。

足元でも、不動産を巡る不透明感が幅広く経済の足かせとなる展開が続いており、中国当局はその対応に様々な手を講じています。今後のオーストラリア経済の見通しを見極めるうえでも中国の政治・経済動向には目を向けておく必要がありそうです。

との金利差が徐々に縮小することが見込まれます。 (出所)ブルームバーグ (期間)2019年1月1日~2023年12月29日

豪ドルの上値余地を探る上では、RBAによる金融政策の動向が最大の焦点となりそうです。RBAは2020年11月に政策金利を同国史上最低値となる0.10%に引き下げましたが、2022年5月の会合で利上げに踏み切りました。2023年4月の会合で利上げを見送り、10会合に及んだ連続利上げがストップしたものの、翌5月にはインフレの上振れリスクなどを理由に利上げを再開、予想外の決定でマーケットを驚かせました。
RBAは2024年6月の会合で政策金利を据え置き、4.35%の高水準で維持することを決定しました。声明では「直近のインフレ率は低下ベースが鈍化」と引き締めの可能性に含みを持たせており、その後行われたブロックRBA総裁の記者会見では、利上げの議論があったことも伝えられました。RBAの政策運営は豪ドル/円に対して大きな影響力を持つためその動向は注視しておきたいです。

[PDF] 見通しサマリー 世界経済・金融市場見通し 主要資産の見通し 主要国

オーストラリアドル(以下、豪ドル)は、米ドル・ユーロ・円・ポンドに次いでです。そして先にも述べたように、豊富な鉱物資源を有することからと呼ばれており、その代表格として人気を集めています。

豪ドル/円や豪州(オーストラリア)には、以下の特徴があります。 豪ドルや豪州の特徴

豪ドル相場を見通す上で最も注目したい指標が、RBA金融政策発表です。RBAは現在の金利据え置きによって、インフレ抑制に向けた行動を続けていますが、現時点でインフレ率はRBAが物価目標としている年2%~3%のレンジを依然上回っています。

上述したようにRBAは足元のインフレ動向を背景に引き締めスタンスをとっているため、当面は現行の金利水準の維持が想定されます。とはいえ、経済指標(データ)次第であることに変わりないため、今後も声明等の内容に注目しつつ、指摘されるインフレリスクや経済の不確実性などの要素を見定めていく必要があるでしょう。

げとの組み合わせはドル円の下押し圧力となろう。ただし、11 月末のドル

また併せて、毎月公表される豪雇用統計も押さえておきたいです。直近は雇用環境も大都市のみならず幅広い地域で改善していることが確認されており、正規雇用を中心に底堅さが伺えるなど賃金上昇に繋がりやすい状況が続いています。対して、コロナショックで一時悪化した失業率は改善を続け、およそ50 年ぶりの低水準で推移しています。雇用者数や失業率のデータはRBAが非常に重視しているデータで、これらの変化に着目することで、今後のRBAの金融政策や豪ドル/円相場を見通すヒントが見えてくるかもしれません。

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さて、オーストラリア経済に目を移すと同国経済は2018年までの28年間にわたり年度単位でのプラス成長を実現してきています。ですが、新型コロナウイルス感染拡大やドル需給問題などの影響によって2020年の経済成長率はマイナスに転じてしまいました。しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた初期から財政・金融双方において大胆な支援策を打ち出したことによって同国経済は他国と比べ悪化せず、結果的に早い段階でコロナショック以前の水準を回復するとその後も着実な成長を続けています。