また、フォシーガには、動脈硬化を改善する可能性があるともいわれています。


毎回出している「型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を見ると、肥満・非肥満によって薬物選択の優先順位が少し異なることがわかります。


2023年1月10日、フォシーガ錠(ダパグリフロジン)の「慢性心不全」において、になりました!これまでは左室駆出率の低下した慢性心不全にしか使用できませんでしたが、今後は左室駆出率が保持された慢性心不全についても使用できます。

肥満を合併する、インスリン血糖値を下げるホルモンは潤沢に出ているが、それがうまく効いていない「インスリン抵抗性」が想定される患者さんでは優先順位第位、肥満のない、インスリンを自前で作る力がもともと体質的に弱い「インスリン分泌不全」が想定される患者さんでは優先順位は下位となっています。上述の通り、「インスリン分泌不全」タイプの患者さんでは合併症のリスクが高まるため、あまり優先して投与する薬ではないのですが、日回の内服で済む血糖降下作用の高い薬ですので、やせ型の「インスリン分泌不全」タイプの患者さんであっても、適切に他の薬と組み合わせて処方することがあります。

フォシーガの心不全への効果について、ここまで解説したことをまとめました。

余談ですが、阻害薬は余分な糖の排泄、尿量増加によるダイエット効果が期待できるため、一部の自由診療クリニックなどで若年女性などをターゲットに、糖尿病ではないがダイエットをしたい、という方に向けて自費で処方されているようです。しかし、これまで述べてきたような注意点に留意し、処方に精通した医師が慎重に投与すべき薬と考えますので、私はあまり好ましくないことだと考えています。

昨年11月には、小野薬品工業のHCNチャネル遮断薬「コララン」(一般名・イバブラジン塩酸塩)が、今年8月にはノバルティスファーマのアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬「エンレスト」(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)が発売。11月には、アストラゼネカのSGLT2阻害薬「フォシーガ」(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)も適応拡大の承認を取得しました。

慢性心不全では昨年以降、新規の作用機序を持つ薬剤が相次いで登場しています。

フォシーガにより腎臓病の治療は格段に進歩したと考えており、当院でも積極的に使用しております。


フォシーガ錠5mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

フォシーガに限らずどのお薬もメリット・デメリットがあり、それらを天秤にかけて判断していく必要があります。

グルコース及びナトリウムの再吸収抑制に基づく浸透圧利尿作用により、容量過剰性心負

前々回のメトホルミンを扱ったブログで「歳以上のご高齢の患者さんはシックデイリスクが若い患者さんより高いため、メトホルミンは慎重投与、歳以上の方に新規で開始することは避けている」と記載しましたが、この阻害薬については、後述の通り心臓・腎臓といった高齢者で機能低下を起こしやすい内臓に非常に良い効果がもたらされることが実証されているため、ある程度お元気な高齢者では慎重に投与するケースもあります。

フォシーガ 慢性心不全 作用機序movie | ONO MEDICAL NAVI

バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝 (CVRM) は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界の何百万人もの患者さんの心血管系の健康と、治療を改善する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の自然経過の緩和もしくは抑制、将来的には臓器の再生と機能の維持の実現を目指しています。

フォシーガ錠10mg(小野薬品工業株式会社)の基本情報・副作用

慢性心不全は、主に「左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)」と「左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)」に分類されます。HErEFは左室筋が十分に収縮できないことによって起こる心不全で、HFpEFは心筋の収縮は正常ながら心室が十分に拡張しないことが原因で起こる心不全です。

ダパグリフロジンプロピレングリコール(フォシーガ)はSGLT2を可逆的阻害

・腎近位尿細管のSGLT2を選択的に阻害し、グルコースを尿中から排泄→血糖値を下げる
・1日1回でOK
・食事に関係なく服用可能
・脱水症状の予防のため、こまめに水分を摂取。
(夏場や高齢者は特に注意)
・尿路感染・性器感染(腟カンジダなど)の可能性あり。
・糖尿病薬と併用時に低血糖のリスク高くなる
(SU剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬、インスリン製剤併用は特に注意)
・低血糖の症状の具体例を伝える。
(動悸・手足の震え・強い空腹感・冷や汗・脱力感など)
・低血糖時の対処方法を伝える。
(ブドウ糖5~15g摂取 or 砂糖10〜30g を摂取 αGI併用中はブドウ糖摂取)
・低血糖が起こりやすいケースを伝えておく。
(他の糖尿病薬と併用時、シックデイ、激しい運動後、過度な飲酒、食事を摂らない時)
・シックデイ(発熱・下痢・嘔吐・食事が摂れない場合)は休薬が推奨(主治医の指示を優先)

フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】

“DAPA Care”は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の臨床プログラムです。終了済みおよび進行中の試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。またフォシーガは、現在、2型糖尿病合併の有無に関わらず、駆出率が保たれた心不全患者さんを対象として有効性を評価するDELIVER第Ⅲ相試験および急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象とした第Ⅲ相DAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。

承認番号:22600AMX00528(フォシーガ®錠5 mg)、22600AMX00529(フォシーガ®錠10 mg).

阻害薬は糖尿病治療のために作られた薬なのですが、近年の研究で心臓・腎臓を傷めてしまった患者さんに大きな利益をもたらされることが実証されており、最近では糖尿病がなくても心不全・慢性腎臓病を患っている患者さんに阻害薬を投与しましょう、という動きが加速しています。

SGLT2 阻害薬による CKD に対する作用機序とエビデンスは? SGLT2 阻害薬は近位尿 ..

フォシーガは、米国において、成人2型糖尿病における血糖コントロール改善のための食事および運動療法の補助療法として承認され、また、第Ⅲ相 CVアウトカム試験の結果に基づき、標準治療への追加療法で、成人2型糖尿病における心不全入院および心血管死のリスク低下の適応 *を取得しています 12。また、フォシーガは第Ⅲ相 、第Ⅲ相 試験の結果に基づき、2型糖尿病合併の有無に関わらず、 、および として承認された最初のSGLT2阻害剤です 1,13

フォシーガとは?(SGLT-2阻害薬:腎臓病の新しい治療薬として)

ただし、フォシーガの腎保護効果について明らかになっていることと、明らかになっていないことがあり、積極的に使用したい場合とそうではない場合を筆者の主観で以下のように分けてみました。

フォシーガ(SGLT2阻害薬)ってどんなお薬? 効果・効能、副作用

フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回、経口投与のファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。研究により、心腎疾患の予防および進展抑制、ならびに各臓器の保護に対するフォシーガの有効性が示され、心臓、腎臓および膵臓の臓器間の基本的な関連性を示す重要な知見が得られました 1,12,13。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器の機能低下を引き起こし、全世界で主要な死因となっている2型糖尿病、心不全およびCKDを含む疾患の発症につながります 14-16

[PDF] SGLT2 阻害薬が糖尿病性腎臓病を抑制する機序を解明

類薬のジャディアンス(エンパグリフロジン)はLVEFに関わらず使用可能でしたが、フォシーガも同じになりました。

とされる朝の家庭血圧の改善作用という、新たな臨床的作用機序のエビデンスを示した

フォシーガのインタビューフォームによると成人健康男性に空腹時単回投与した時のTmax、T1/2は下記の通りとなっています。