本日は豪州にて注目の経済指標の発表は予定されていない。そのため、豪ドルは日米や中国の株価動向を睨んだ動きとなりそうだ。
25年の最大のテーマは、。トランプ氏の選挙公約は、トランプ減税の恒久化、法人税率引き下げ、関税引き上げ、移民規制の強化など。今回も『MAGA(アメリカを再び偉大に)』をスローガンとしたように、やろうとしていることは1期目とほぼ同じです。議会の上院と下院も同じ共和党が多数派となるトリプル・レッドが実現したため、トランプ大統領が自身の政策を推進しやすい状況でしょう。
16年大統領選挙ではトランプ氏の公約を織り込む形で、米ドル高や米株高、いわゆるトランプ・ラリーが発生しました。ただし、17年1月にトランプ大統領が就任すると、米ドルは下落基調に転じました。トランプ大統領の対外強硬姿勢が米ドル離れを引き起こしたこと、米FRBが利上げを進めるなかでも、長期金利が低下したことなどが背景でした。
トランプ大統領1期目と大きく異なる点があります。それは景気循環や金融政策の位相です。1期目のスタートは、米経済がリーマンショック後の長い低迷から立ち直り始めた局面でした。15年末に9年ぶりの利上げが実施され、本格的な利上げは16年12月以降、まさにトランプ政権1期目の前半と重なりました。今回は、22年春から23年夏までに大幅な利上げが実施され、24年9月からは利下げへと転換しています。
今後も米景気の拡大は続くでしょうか。減税や規制緩和は景気刺激効果が期待できそうです。一方で、インフレの再燃や財政赤字の拡大による長期金利の上昇、関税引き上げによる世界貿易の縮小、それらは景気失速をもたらすかもしれません。
トランプ氏の公約のうち、何がどんな形で実現するか、そして何が実現しないか。トランプ大統領が極端な政策を打ち出そうとした時に、閣僚や議会がブレーキをかけることができるか。それらを見極めることが重要となりそうです。
米経済に想定される3つのシナリオは以下の通り(詳細はの「マクロ経済の相場環境」をご覧ください)。
米国がソフトランディングを実現できれば、景気低迷に喘ぐ欧州との差が欧州通貨に対する米ドルのアドバンテージとなりそうです。また、市場は総じてリスクオンの地合いが想定され、資源価格や新興国通貨にとって比較的良好な環境と言えそうです。日銀にとっても金融政策の正常化を進め易い環境かもしれませんが、利上げは限定的となり、内外金利差が引き続き「円安」要因として意識されるでしょう。
世界的に景気が低迷するなか、資源価格は下落し、またリスクオフの地合いが資源・新興国通貨にとってマイナスとなります。日本も金融政策の正常化を先送りせざるを得なくなります。ただ、リスクオフに伴う「質への逃避」や資金還流が円を支える構図はみられるかもしれません。
トランプ大統領が選挙公約の実現にまい進するケースでは、市場のセンチメントは不安定になり、米ドルや株価、市場金利(債券価格)は乱高下します。このシナリオが実現した場合は、しかるのちにサブシナリオ(リセッション)に変異する可能性が高まります。
◇2025年6月までの主なイベント:
1月2日 米デットシーリング(連邦債務上限)復活
1月20日 米トランプ大統領就任
2月23日 ドイツ総選挙
3月中旬 春闘集中回答日
4月13日 大阪・関西万博開幕(10月13日まで)
25年6月までの米ドル/円は24年年間とほぼ同じ140円~160円のレンジでの推移が想定されます。米経済がソフトランディングを実現できれば、米ドル/円は160円に向けてジリジリと上昇しそうです。ハイパー景気のシナリオでは早い段階で米ドル/円の上昇が進むかもしれません。ただし、いずれの場合でも160円を超える動きには本邦当局による米ドル売り円買い介入の可能性があり、市場もそれを警戒するでしょう。
一方で、リセッションのシナリオでは、米FRBがアグレッシブな利下げを進めることで、米ドル/円には下落圧力が加わりそうです。もっとも、本稿執筆時点で市場が予想するように日銀が6月までに1回0.25%の利上げにとどめ、あるいはそれすらも困難になる状況では、米景気の落ち込みがよほど大きくならない限り、140円を超える「円高」の可能性は低そうです。
引き続き米長期金利(10年物国債利回り)が重要なカギを握りそうです。トランプ政権の誕生に向けて債券市場のセンチメントは弱気に傾いているようです。長期金利が上昇する、あるいは4%台後半を維持するならば、米ドル/円のプラス材料となりそうです。ただし、財政赤字拡大の懸念から長期金利が上昇する場合は、「悪い金利上昇」と判断されて米ドル/円に下落圧力が加わる可能性にも注意は必要でしょう。
どのシナリオにおいても、為替相場のボラティリティ(変動)は大きくなりそうです。トランプ次期大統領の発言や行動が予測不能であり、市場が想定外の事態に直面する可能性もあるからです。トランプ次期大統領によるSNSなどの発信が頻発しそうな現地時間の夜、日本時間の午前中にはとりわけ注意が必要かもしれません。<西田>
米FRBやBOE(英中銀)が利下げに慎重な姿勢をみせる一方で、ECBは積極的に利下げを進める姿勢をみせています。3会合連続(通算4回目)の利下げを決定した12月理事会後の会見で、ラガルド総裁は、景気は足もとで勢いを失いつつあり、リスクは下振れ方向にあると認めました。また、トランプ次期大統領の関税引き上げ方針など貿易摩擦にも懸念を表明しました。ラガルド総裁は一方で、インフレとの戦いはまだ完了していないとしつつも、インフレ率は25年に2%に落ち着くと自信を見せました。
12月20日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、25年6月までの4回の理事会で市場は0.25%×4回分の利下げをほぼ完全に織り込んでいます。
ECBと米FRBとの金融政策の差を基にすれば、ユーロは対米ドルで軟調に推移しそうです。ただし、米国がリセッション(景気後退)入りするなどして、FRBの利下げペースが速まるようであれば、ユーロは相対的に有利になるかもしれません。また、ECBとBOE(英中銀)の予想利下げペースにも差はありますが、英国景気の低迷を前提とすれば、ユーロ/英ポンドの下落余地はやや小さめかもしれません。<西田>
英国は23年後半のリセッション(景気後退)からいったん脱したものの、足もとで再び景気が低迷しているようです。24年9月と10月の月次GDPはいずれも-0.1%とマイナスでした。6月と7月は横ばいだったので、6月以降でGDPがプラスだったのは8月(0.20%)のみです。また、総合PMIは8月をピークに低下基調にあり、12月(速報)は前月と同じ50.5と、辛うじて景気の拡大を示唆しました(50割れで景気縮小を示唆)。
BOE(英中銀)は景気への懸念を強めつつも、インフレ改善の遅れから利下げには慎重です。12月のMPC(金融政策委員会)でも政策金利を4.75%と主要中銀の中では高い水準に据え置きました。ただし、決定は6対3で、3人が利下げを主張したことが明らかになっています。12月20日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む25年2月の利下げは7割弱。同6月には追加利下げがほぼ5割織り込まれています。今後の状況次第では、追加利下げの観測が高まり、英ポンドの重石となる可能性もありそうです。<西田>
RBAは23年11月に0.25%の利上げを行った後、24年12月まで9会合連続で政策金利を4.35%に据え置きました。
前回24年12月の政策会合では、RBAのタカ派的な金融政策スタンスが変化したことが示唆されました。RBAは12月会合時の声明で、従来の「何も決定しておらず、何も排除していない(利上げする可能性もある)」と「政策は十分に景気抑制的である必要」を削除し、「理事会はインフレ率が目標レンジに向かって持続的に推移しているという、ある程度の確信を得つつある」としました。将来の利下げに向けた地ならしとの解釈ができます。
市場では、早ければ25年2月の会合で利下げが行われるとの観測があります。FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中銀)など日銀を除く主要中銀の多くが利下げを行うなかで、RBAは政策金利を据え置いてきたこともあり、実際に利下げが行われた場合のインパクトは大きくなるかもしれません。
豪ドル/米ドルについては、FRBの利下げペースも重要です。FRBの利下げペースが緩やかならば、豪ドル/米ドルは軟調に推移する可能性があります。
日銀はいずれ追加利上げを実施すると考えられます。ただその場合でも、日銀の政策金利の水準がRBAと比べてかなり低い状況に大きな変化がなければ、金融政策面から豪ドル/円はそれほど下落しないかもしれません。
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【豪ドル/NZドル】
RBNZ(NZ中銀)が積極的な利下げを実施する一方で、RBAは政策金利を据え置き続けたことが、豪ドル/NZドルを支援してきました。
今後は、RBNZの利下げペースは鈍化する可能性がある一方で、RBAは利下げを開始すると考えられます(*RBNZの金融政策の詳細はNZドルの項をご参照ください)。実際にRBNZの利下げペースが鈍化してRBAが利下げを開始すれば、豪ドル/NZドルは下落する可能性があります。<八代>
RBNZ(NZ中銀)は24年8月に利下げを開始し、11月まで3会合連続で利下げを実施。利下げ幅は8月が0.25%、10月と11月が0.50%でした。
前回24年11月会合時の声明では、「経済状況が予測通りに推移し続ければ、25年初めに政策金利をさらに引き下げることができると予想している」とされ、追加利下げが示唆されました。
これまでの積極的な利下げによって政策金利はRBNZが中立金利(景気を過熱も冷やしもしない政策金利の水準)と推計する2.5~3.5%のレンジ上限に近づきつつあります。利下げペースはいずれ鈍化すると考えられます。実際にRBNZの利下げペースが鈍化すれば、金融政策面からのNZドル安圧力は緩和する可能性があります。
NZドル/米ドルに関しては、FRBの利下げペースも重要です。FRBの利下げペースが緩やかな場合、米ドルが全般的に強含んでNZドル/米ドルは上値が重い展開になりそうです。NZドル/円については、日銀の追加利上げのペースが緩やかならば、それほど下落しないかもしれません。日銀と比べてRBNZの政策金利がかなり高い状況に大きな変化はないとみられるからです。<八代>
BOC(カナダ中銀)は24年6月に利下げを開始し、12月まで5会合連続で利下げを実施しました。利下げ幅は6月・7月・9月が0.25%、10月と12月が0.50%でした。
前回24年12月会合時のBOC声明では、従来の「政策金利はさらに引き下げられると予想している」が削除され、「政策金利のさらなる引き下げの必要性を会合ごとに判断していく」になりました。マックレムBOC総裁は会合後の会見で「経済がおおむね(BOCの)予測通りに推移すれば、金融政策へのアプローチはより緩やかになると予想している」と発言。今後の会合で利下げを見送ることもあり得ることや、利下げするとしても幅は0.50%よりも小さくなることが示唆されました。
市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、BOCの政策金利は25年12月時点で2.75%との見方が有力です(24年12月20日時点)。仮にこの通りになるならば、BOCの政策金利はあと0.50%引き下げられることになります。
24年終盤の米ドル/カナダドル上昇は、FRBとBOCの利下げペースの差が主な要因と考えられます。FRBとBOCの政策金利差の拡大に歯止めがかかれば、金融政策面からの米ドル/カナダドルへの上昇圧力は緩和しそうです。
トランプ米次期大統領の政策には注意が必要です。トランプ氏は、25年1月20日の大統領就任後ただちにメキシコとカナダからの輸入する製品すべてに25%の関税を課す考えを示しています。実際に対カナダ関税が発動されるのかどうか注目です。対カナダ関税の発動が見送られた場合、カナダドル高材料になりそうです。<八代>
TCMB(トルコ中銀)は24年3月に利上げを実施した後、11月の会合まで8回連続で政策金利を50.00%に据え置きました。
トルコのCPI(消費者物価指数)上昇率は24年5月の前年比75.45%をピークに鈍化しており、11月は同47.09%でした。高金利の影響によってトルコ経済は減速しており、トルコのGDP(国内総生産)は4-6月期と7-9月期にいずれも前期比マイナス0.2%となり、簡便的にリセッション(景気後退)の定義とされる2四半期連続のマイナス成長となりました。
市場ではTCMBは12月26日の会合で利下げを行うと予想されています。本稿執筆時点で12月会合の結果は判明していませんが、仮に利下げが実施された場合、25年の利下げペースがどうなるのかが注目されます。TCMBが積極的な利下げを続ければ、トルコリラが軟調に推移する可能性があります。
23年6月に経済チームを刷新(財務相とTCMB総裁が交代)してからは、エルドアン大統領がTCMBの金融政策について発言することは少なくなりました。エルドアン大統領が経済チーム刷新前のように再び金融政策に干渉するようなら、トルコリラには下押し圧力が加わりそうです。<八代>
SARB(南アフリカ中銀)は24年9月と11月の2会合連続で利下げを行いました(利下げ幅はいずれも0.25%)。
南アフリカの24年11月CPI(消費者物価指数)は前年比2.9%と、SARBのインフレ目標(3~6%)を2カ月連続で下回り、目標中間値である4.5%は4カ月連続で下回りました。SARBは今後さらに利下げすると考えられるものの、利下げのペースはこれまでの0.25%が継続される可能性があります。仮にFRBの利下げペースが鈍化するなかで、SARBが大幅な利下げを行えば、南アフリカランドは対米ドルで下押し圧力が加わるおそれがあるからです。
南アフリカランド/円については、日銀が追加利上げを実施してSARBが利下げを継続したとしても、いずれもそのペースが緩やかならば、それほど下落しないかもしれません。<八代>
BOM(メキシコ中銀)は24年12月19日の政策会合で0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を10.25%から10.00%へと引き下げました。利下げは4会合連続です。
12月会合時の声明では、「政策金利のさらなる調整(追加利下げ)が可能になると予想している」と改めて表明されました。また、新たに「ディスインフレの進展を踏まえ、抑制的な金融政策スタンスを維持しつつも、今後の会合ではより大幅な下方調整が検討される可能性もある」が追加され、今後0.25%を超える幅の利下げもあり得ることが示唆されました。これらはメキシコペソにとってマイナスと考えられるものの、日銀の追加利上げのペースが緩やかならば、メキシコペソ/円に関しては他のクロス円と同様にそれほど下落しない可能性があります。
カナダドルと同じくトランプ米次期大統領の政策には要注意です。トランプ氏は、25年1月20日の大統領就任後ただちにメキシコとカナダからの輸入する製品すべてに25%の関税を課す考えを示しています。実際に対メキシコ関税が発動されればメキシコペソには下押し圧力が加わると見られる一方、関税の発動が見送られれば、メキシコペソ高材料になりそうです。<八代>
24年はノルウェーとスウェーデンの金融政策に大きな差が出ました。リクスバンク(スウェーデン中銀)は5月に利下げを開始し、政策金利は年初の4%から年末に2.50%まで低下しました。一方、ノルゲバンク(ノルウェー中銀)は23年12月に政策金利を4.50%まで引き上げ、24年を通してその水準を維持しました。
25年は、ノルゲバンクも利下げを開始する見通しです。そうしたなかでも序盤は政策金利差(スウェーデン<ノルウェー)の拡大が予想され、引き続きNクローネにプラスとなりそうです。ただ、ノルゲバンクの「据え置き⇒利下げ」は金融政策の転換であり、転換時においてはNクローネの下落圧力を生みそうです。また、年央にかけてリクスバンクの政策金利が中立水準に接近することで、打ち止め観測が浮上するかもしれません。
Nクローネ/Sクローナ(NOK/SEK)については、ノルウェーが産油国であるため、原油価格の動向も重要。中国をはじめとする世界経済の減速が一段の需要鈍化をもたらすのか(原油安=Nクローネ安要因)、中東情勢の緊迫化が原油価格の上昇(=Nクローネ高要因)につながるのか、見極める必要がありそうです。<西田>
今週の豪ドルは、豪準備銀行(RBA)が公表した理事会要旨でタカ派姿勢が確認されたものの、買いは続かず、100円水準を挟んだ小動きの相場展開が続いた。
RBAはオーストラリアを見舞ったコロナショックに対応し、その経済支援の一端として政策金利を過去最低の0.10%まで引き下げました。その後、RBAが注視していたインフレ率や失業率などが改善に向かっていく中で利上げが進んでいき、一時停止を挟みながら2023年11月会合まで利上げを継続しました。2024年5月時点の政策金利は4.35%となっています。
現在は金利を据え置いていますが、インフレ動向とRBAの金融政策の行方が今後の注目ポイントです。
豪ドル/円 今日の見通し「米豪金利差に注目」2024/10/23
世界的に大きなダメージを与えた新型コロナウイルスの蔓延による経済活動の停滞。そのコロナショックからいち早く立ち直ったオーストラリア経済を底支えしているのが鉄鉱石に代表される鉱物資源、液化天然ガス(以下、LNG)に代表されるエネルギー資源の輸出にあります。
近年は世界的にコモディティ価格が堅調に推移しており、この流れはインフレリスクのヘッジ手段としての需要を背景に続いていくことが想定されます。したがって、オーストラリア経済の成長見通しが堅持されれば、豪ドル/円相場も比較的堅調な推移となりそうです。一方、昨今のウクライナ情勢をはじめとした地政学リスクの高まりを受けて、商品相場のボラティリティは高まっているため、資源価格が変動する局面では豪ドル/円相場への影響には注意したいです。
豪ドル相場の見通しを予測するうえで、オーストラリア経済の指標チェックは欠かせません。なかでも、オーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia 以下、RBA)が発表する政策金利や声明文は非常に高い注目度を集めます。
コモディティ価格の上昇による貿易黒字は中国需要に依るところが大きいため、中国国内の経済動向や豪中関係の政治的変化にも気を配る必要があります。
現在の中国経済ですが、その足元は今まさに正念場を迎えているといっても過言ではないでしょう。2020年のコロナショック以降、初期段階では迅速なロックダウン(都市封鎖)やワクチン接種の進展から早期の経済立て直しに期待がかかりました。ただ、金融緩和による投資マネーの流入で不動産価格が高騰し、政府は住宅ローンや不動産開発企業への融資に規制を設けました。これを契機に中国市況は低迷をはじめ、中国恒大集団などが経営危機に陥りました。
足元でも、不動産を巡る不透明感が幅広く経済の足かせとなる展開が続いており、中国当局はその対応に様々な手を講じています。今後のオーストラリア経済の見通しを見極めるうえでも中国の政治・経済動向には目を向けておく必要がありそうです。
豪ドルの上値余地を探る上では、RBAによる金融政策の動向が最大の焦点となりそうです。RBAは2020年11月に政策金利を同国史上最低値となる0.10%に引き下げましたが、2022年5月の会合で利上げに踏み切りました。2023年4月の会合で利上げを見送り、10会合に及んだ連続利上げがストップしたものの、翌5月にはインフレの上振れリスクなどを理由に利上げを再開、予想外の決定でマーケットを驚かせました。
RBAは2024年6月の会合で政策金利を据え置き、4.35%の高水準で維持することを決定しました。声明では「直近のインフレ率は低下ベースが鈍化」と引き締めの可能性に含みを持たせており、その後行われたブロックRBA総裁の記者会見では、利上げの議論があったことも伝えられました。RBAの政策運営は豪ドル/円に対して大きな影響力を持つためその動向は注視しておきたいです。
東京為替見通し=ドル円、日本の政局に注目 豪ドルは豪CPIに要注目か
また併せて、毎月公表される豪雇用統計も押さえておきたいです。直近は雇用環境も大都市のみならず幅広い地域で改善していることが確認されており、正規雇用を中心に底堅さが伺えるなど賃金上昇に繋がりやすい状況が続いています。対して、コロナショックで一時悪化した失業率は改善を続け、およそ50 年ぶりの低水準で推移しています。雇用者数や失業率のデータはRBAが非常に重視しているデータで、これらの変化に着目することで、今後のRBAの金融政策や豪ドル/円相場を見通すヒントが見えてくるかもしれません。
東京為替見通し=ドル円、日本の政局に注目 豪ドルは豪CPIに要注目か ..
今週の豪ドルは、注目された10月消費者物価指数のコアインフレ率が前月比で上昇したことから利下げ観測は強まらなかったが、円高が進行したことから97円台まで下落した。
豪ドル安96円台 経済見通し悪化 RBAの年内利下げの公算強まる
かつては高金利通貨の代名詞であった豪ドル。現在でも個人投資家からの人気は健在で、2023年の国内の個人投資家における取引金額割合では3位の人気を誇っています。また、オーストラリアの政治経済や、チャートのテクニカルポイントに関するニュース配信も豊富ですので、豪ドル/円のお取引は「みんなのFX」のご利用をぜひご検討ください。
なお、先述の通り、豪ドル/円の値動きやスワップポイントの変動は、鉱物資源の需要に左右される傾向が強いため、世界経済や中国経済の動きに影響されます。また国内景気や、インフレ動向を判断するRBAの政策金利・声明文もしっかりウォッチしながら取引すると良いでしょう。
(2024年5月時点 トレイダーズ証券 市場部)
最新為替見通し|UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント株式会社
特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。
今週の豪ドル円(AUD/JPY)FXレートの為替レンジ予想(高値・安値予想)を公開。現在値、今週のレンジ、過去予想勝率も。
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、海外投資家の多くがクリスマス休暇入りしたことで小動き推移に留まった。
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
2024年の豪ドル/米ドルは、0.63~0.69米ドル程度の小幅のレンジで、2023年に続き方向感のない動きに終始しました(図表1参照)。米ドル/円がここ数年記録的に大きな変動が続いていることと対照的に、豪ドル/米ドルの小動きが長期化している最大の理由は小幅な金利差でしょう。
豪ドル/円の見通し(後編)【エミンの月間為替相場見通し】10月号
また、オーストラリア経済と強い結び付きのある国、にも豪ドルは影響を受けやすいという特徴があります。世界の工場たる中国が経済的発展を遂げる。その過程で大量の鉱物資源が消費される。鉱物資源が貿易のトップ品目であること、であることなどから、オーストラリアは影響を受けてしまうのです。
エミンの月間為替相場見通し2023年10月号!今回は天才エコノミストのエミン・ユルマズ氏が米ドル/円と豪ドル/円について解説します。
豪米2年債利回り差は、足下で0.2%程度の豪ドル劣位です(図表2参照)。その一方で、日米2年債利回り差米ドル優位は3%を大きく上回っています。2022年の歴史的インフレ以降、先進国は軒並みインフレ対策で大幅な利上げに動いたのに対し、当初日本だけは金利上昇を抑制する政策を続けました。その結果、日本と米国など先進国の金利差は円劣位が大幅に拡大した一方で、日本以外の先進国間の金利差拡大は限られました。
【2024年4月4日】『4月強気相場』と足もと留意点 豪ドル/円・NZドル/円の見通し(津田隆光) · Comments3.
金利差は、為替相場の変動率(ボラティリティ)に大きく影響することから、大幅な金利差のある米ドル/円やクロス円が歴史的大相場を展開したのに対し、豪ドル/米ドルのような対米ドルでの取引「ドルストレート」は小動きの状況が続いたということでしょう。このような金利差に著変なければ、2025年の豪ドル/米ドルも小動きが続く可能性が高いのではないでしょうか。
【2024年5月1日】豪ドル/NZドルは豪中銀会合に要注目 ..
下の表は主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べた中から、日本のFXトレーダーがもっともよく取引する米ドル/円と、12月に注目したい通貨ペアの「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。
豪ドル・NZドル・カナダドル・メキシコペソといった資源・新興国通貨の動向&見通し ..
豪ドル/米ドルは、小動きが続く中でも、最近にかけての金利差変化からかい離する形で下落傾向が続き、年初来の安値更新含みの展開となりました。これには中国経済の不振の影響などがあるのかもしれません。